創作活動をする理由と、生きる理由は似ている。人の顔色を伺って周りの人の気持ちばかり考えるとびくびくした人柄に見えるし本当の心は分からない。
自分の為に作品を作ることができれば人の評価を気にしなくていいから自分の価値観を強く出せる。でも今の世の中はそういう幅広い人格を受け入れる包容力に欠けているから、自分だけの価値観で生きている人を受け入れるには付加価値が必要だ。
シンガポールのように社会や政府に包容力がないと、いくらお金をかけても国内から芸術は育ちにくい。いくら自分の価値を持って生きて、作品をつくっていても、仲間と見られなければチャンスが来ないからだ。
結果的に芸術は社会全体が作るもので、社会がその時の芸術を選んでいる。
他人から愛してほしい、自分を満たしてほしいと常に考えている人達の社会では、その基準を表面的に満たしている作品や人を選ぶ。
社会や人が成熟してくれば、自分の価値を持って、本当に見定めるということができるようになる。
だから今人の顔色を伺って生きている人でそれに違和感を持っている人は、未来の社会に適した人かもしれない。