映画は物議をかもしながらも、終わりつつある昭和を象徴する作品として評価され、国内外の映画賞を取った。「昭和の時代は、権力やタブーにあらがい、思い切り自分の欲望を爆発させるような人を、それでも受け入れる『余裕』が世の中にあった」と原さんはみている。
語っているのは田原総一朗。“原くん”というのは、ドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」の監督、原一男のことだ。
その原一男は、龍村仁監督「キャロル」について、NHK上層部との闘いの経緯とともにこう書く。
“己の身体を抑圧してきた“何者か”の正体を暴き、その理不尽なものから己を解き放つことを企図したのだ”。